相続税はいくらからかかる?基礎控除の計算方法をわかりやすく解説
「うちって、相続税かかるのかな」
同居している両親が67歳になってから、なんとなく気になっていた疑問です。4人の子どもを育てながら毎日バタバタしていて、「相続税」なんて遠い話だと思っていた。でも調べてみると、意外と身近な問題だとわかりました。
特に今は「相続登記の義務化」も始まって、相続まわりの知識を持っておかないといけない時代。「相続税って、いくらからかかるの?」という基本的な疑問に答えられるよう、計算式から具体例まで自分なりに整理してみました。
難しい言葉はできるだけ噛み砕いて説明しています。「自分の家はどうなんだろう」と気になっている方の参考になれば嬉しいです。
まず安心してほしい。相続税がかかる人は全体の1割程度
「相続税」という言葉を聞くと、「大変なことになる」というイメージがありますよね。でも実は、相続税が発生する相続は全体の約9〜10%程度と言われています。
なぜかというと、相続税には「基礎控除」があるから。一定の金額までは非課税になる仕組みです。まずはこの基礎控除を理解するのが第一歩です。
「基礎控除額」の計算式はたったこれだけ
相続税の基礎控除額は、次の計算式で求められます。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
「法定相続人」とは、法律で相続する権利があると定められた人のこと。配偶者・子ども・親・兄弟などが対象で、順位が決まっています。
具体例で計算してみる
わかりやすいように、うちの両親のケースに近い形で考えてみます。
ケース:父が亡くなり、相続人が母と子ども2人(計3人)の場合
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
ケース:相続人が子ども2人だけの場合(配偶者がいない)
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
つまり、遺産の総額がこの基礎控除額以下なら、相続税はかかりません。相続税の申告も不要です。
「相続税がかかるかどうか」を確認するには、まず遺産の総額(預貯金+不動産+株式など)を把握して、基礎控除額と比べてみることが出発点です。
相続人の数が多いほど、非課税枠が広がる
わが家は子どもが4人います。仮に両親どちらかが亡くなり、相続人が配偶者+子ども4人(計5人)になる場合を計算してみると、
3,000万円 + 600万円 × 5人 = 6,000万円
なんと6,000万円まで非課税。子どもが多いと基礎控除も増えるというのは、知っていると少し気持ちが楽になりますね。
ただし、相続放棄をした人は法定相続人の数に含まれないなど、細かいルールもあるので注意が必要です。
基礎控除を超えても「配偶者控除」でゼロになることがある
遺産が基礎控除を超えてしまった場合でも、まだ安心できる控除があります。それが「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」。
配偶者が相続する財産が
- 1億6,000万円以下、または
- 法定相続分(通常は遺産の1/2)以下
であれば、配偶者には相続税がかかりません。
両親どちらかが亡くなり、もう一方が相続するケースでは、遺産がかなり多くない限り配偶者には税金がかからないということになります。この制度のおかげで、「配偶者が生きている間は相続税を心配しなくていい」というケースが多いのです。
不動産がある場合は「小規模宅地等の特例」が大きく効く
相続財産に自宅の土地が含まれている場合、「小規模宅地等の特例」を使うと、土地の評価額を最大80%減額できます。
例えば、評価額が3,000万円の土地なら、特例を使うと600万円として計算される。これは相続税額に大きく影響します。
主な適用条件(同居の場合):
- 被相続人(亡くなった方)と同居していた親族が相続する
- 相続税の申告期限(10ヶ月)まで、その土地の上の建物に住み続ける
わが家のように同居している場合、この特例が適用できる可能性があります。ただし条件の確認や申告手続きは複雑なので、税理士への相談が必須です。
相続税の税率は10〜55%。「超過累進課税」の仕組み
基礎控除を超えた部分(課税遺産額)は、相続人それぞれの法定相続分に応じて計算し、以下の税率が適用されます。
| 課税対象の金額(各相続人の取得分) | 税率 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 15% |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 20% |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 30% |
| 1億円超〜2億円以下 | 40% |
| 2億円超〜3億円以下 | 45% |
| 3億円超〜6億円以下 | 50% |
| 6億円超 | 55% |
この税率は「超過累進課税」といって、全体にかかるわけではなく、金額の段階ごとに適用されます。計算の流れが少し複雑なので、実際の申告では税理士に任せるのが安心です。
相続税申告の期限は「10ヶ月」。遅れると延滞税が加算される
相続税の申告・納税の期限は、相続開始を知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内。
10ヶ月というと長そうに聞こえますが、遺産の総額を確定させて、申告書を作成して、納税するまでを含めると意外とタイトです。特に不動産がある場合は評価額の計算が必要で、時間がかかります。
期限を過ぎると「延滞税」や「加算税」が発生します。相続が発生したら、早めに税理士に相談することが大切です。
自分で申告できる?税理士に頼む判断基準
相続税の申告は自分でもできます。ただし、以下のようなケースでは税理士への依頼を強くおすすめします。
- 相続財産に不動産(土地・建物)が含まれる
- 小規模宅地等の特例など、各種控除・特例を使いたい
- 相続人が複数いて、遺産分割が複雑
- 相続税の申告経験がない
税理士に依頼する費用は、遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われています。節税できる金額を考えると、「頼んで損した」ということは少ないはずです。
また、税理士にも「相続専門」かどうかで経験や知識の差があります。相続税申告の実績が多い税理士に依頼するのがポイント。複数に相談して比較してから決めるのがベストです。
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まとめ:「うちはかかるの?」を確認する3ステップ
相続税が発生するかどうかは、次の順番で確認できます。
- 法定相続人の数を確認する(基礎控除額が決まる)
- 遺産の総額を大まかに把握する(預貯金+不動産+保険金など)
- 総額が基礎控除額を超えるか比べる(超えなければ非課税)
「3,000万円+600万円×相続人数」という計算式だけ覚えておけば、まず大まかな判断ができます。
同居の両親が67歳になり、少しずつ「そのとき」が現実味を帯びてきた今、知識として持っておくことの大切さを改めて感じています。特に不動産がある場合は評価の仕方で税額が大きく変わるので、早めに専門家に相談しておくことが家族を守ることにつながると思っています。
相続登記の手続きについてはこちらの記事でまとめています。合わせて読んでみてください。
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