「また学校から電話だ……なんでいちいち電話してくるの?」

正直に言うと、次男が小学生になりたてのころ、わたしはそう思っていました。誰々とぶつかった、忘れ物をした、ちょっとしたトラブルがあった——そのたびに電話がかかってきて、「そんなこと、学校で解決してくれればいいのに」と感じたことも一度や二度じゃありません。

でも、その「なぜ」を知ってからは、電話への向き合い方が少し変わりました。

この記事では、先生が保護者に電話してくる主な理由と、学校側がそうせざるを得ない背景をまとめます。「怖い」「面倒くさい」と感じている方に、少し違う角度でお伝えできればと思います。

(→ 学校からの電話が怖いと感じる方はこちらもどうぞ:学校からの電話が怖い…3人目でようやく怖くなくなった理由と対処法

先生が電話してくる主な5つの理由

まず基本として、先生が電話を選ぶのは「急を要する内容」または「文字だけでは誤解を招く内容」のときです。連絡帳のように記録が残る手段では間に合わないとき、電話という手段が使われます。

①体調不良・早退の連絡

登校後に熱が出たり、気分が悪くなったりした場合の連絡です。「お迎えをお願いできますか」という緊急の判断が必要なため、電話になります。学校からの電話で最も多いのがこのパターンです。

子供が自分で「しんどい」と言えない年齢でも、先生が気づいてすぐ連絡してくれるのはありがたいことです。

②怪我の報告

体育の授業や休み時間に、説明や謝罪が必要な程度の怪我をした場合に連絡が入ります。「病院に行く必要がある怪我かどうか」の判断を親と一緒に確認する目的もあります。救急車での搬送になった場合はその旨の報告も含まれます。

③欠席時の安否確認・状況把握

連絡なしに登校していない場合や、欠席が数日続いている場合の確認です。「子供の安全が確認できていない」という状況では、先生は確認の義務があります。責めているわけではなく、安否確認が主な目的です。

④事務的な確認・お願い

提出期限を過ぎた書類(懇談の希望表や集金など)の確認、翌日の持ち物に関する急な連絡事項、頻繁な忘れ物への注意喚起などが含まれます。

子供がプリントを親に渡し忘れているケースも多く、先生が直接確認しないと情報が届かないことがあります。

⑤トラブルの報告・共有

友達とのケンカ、ぶつかった、言葉で傷つけた・傷ついた——こういった出来事を報告してくるケースです。何が起きたかの事実関係を共有し、今後の指導方針について一緒に考えることが目的です。

最近は個人情報保護の観点からクラスの連絡網がない学校がほとんどのため、保護者同士が直接やりとりできず、先生が仲介役を務めることが増えています。

+ 最近増えている「グッドニュースコール」

「今日、〇〇くんが下級生に優しくしてくれて……」——悪い知らせではなく、子供の頑張りや良い変化を伝えるためだけにかけてくれる先生もいます。「グッドニュースコール」と呼ばれる取り組みです。

こういう電話が1本来ると、「この先生はちゃんとうちの子を見てくれているんだ」という信頼感がまったく違います。長男のときの担任がこれをやってくれた先生で、あの電話は今でも覚えています。

「些細なことでも電話してくる」3つの背景事情

「そんな小さなこと、わざわざ電話しなくていいのに」と感じる連絡もあります。それでも先生が電話してくるのには、学校側のやむを得ない事情があります。

①「保護者が子供から先に聞く」を防ぐため

学校が最も避けたいのは、起きた出来事を保護者が子供から先に、しかも偏った内容で聞いてしまうことです。

子供は家で自分に都合よく話したり、感情を込めて伝えたりします。「学校がちゃんと教えてくれなかった」という不信感(クレーム)に発展するのを防ぐため、先生は事実関係を先回りして共有します。これは一種のリスクマネジメントです。

②連絡網がなくなったから

かつては些細なトラブルなら保護者同士で直接解決できる場面もありました。でも今は個人情報保護の観点から、ほとんどの学校でクラスの連絡網がありません。

その結果、どんなに小さなことでも先生が両方の保護者の間に入って仲介しなければならないという構造になっています。先生も好き好んで細かいことを電話しているわけではないのです。

③先生自身も「報告しないと怒られる」と思っている

意外かもしれませんが、トラブルの報告電話は先生にとっても精神的にしんどい仕事のひとつです。電話をかける前はメモを用意し、緊張しながら受話器を握っている先生も多い。

「報告を怠って後からクレームになるのが怖い」という心理も働いています。つまり、先生も怖がりながら電話してきているのです。

「そんなことで電話しないで」と思ったときの賢い伝え方

電話が多いと感じるとき、「学校で収めてほしい」と伝えること自体は問題ありません。ただ、伝え方によっては逆効果になることがあります。

✕ やってはいけない伝え方

「こんな些細なことで電話しないでください」という言い方は、先生を不安にさせたり「要注意な保護者」として警戒されたりする原因になります。

◎ おすすめの伝え方

「報告しないでほしい」ではなく、「どんなときに電話してほしいか」という基準を提案するスタンスが効果的です。

「仕事で電話に出にくいことが多いため、怪我がない程度の些細なトラブルであれば、連絡帳でご報告いただければ十分です。緊急のことはもちろんお電話ください」

これだけで、先生も「この家庭はどこまで報告すればいいか」がわかり、お互いの負担が減ります。

また、「先生の判断を信頼しています」という一言を添えると、先生も「学校内で対応してよい」という安心感が生まれ、細かな電話が自然と減ることがあります。

電話の回数を減らすために今日からできること

先生からの電話を減らす根本的な方法は、先に連絡帳で「先手」を打つ習慣です。

気になることがあるとき、電話を待つのではなく、連絡帳に一言書いておく。

「友人関係で少し気になることがあります。放課後にお電話でお話しできますか」

こうすることで、先生が突然かけてくる電話ではなく「自分がお願いした電話」になります。心の準備ができているかどうかで、受け取り方がまったく変わります。

また、普段から連絡帳でちょっとしたお礼や子供の様子を伝えておくと、「信頼の貯金」が積み上がって、先生も「この家庭なら学校内で対応しても大丈夫」という判断がしやすくなります。

(→ 「信頼の貯金」の作り方や、電話が怖くなくなる思考の転換については、こちらで詳しく書いています:学校からの電話が怖い…3人目でようやく怖くなくなった理由

まとめ:先生も怖がりながら電話している

先生が電話してくる主な理由は、早退・怪我・欠席確認・事務連絡・トラブル報告の5つ。そして最近では子供の頑張りを伝えるグッドニュースコールも。

「なんでいちいち連絡してくるの」と感じるのは自然な気持ちです。でも、先生も「報告しないと後でトラブルになる」という不安を抱えながら、緊張してかけてきていることが多い。

「先生vs保護者」ではなく、「どちらも子供のことを心配している」という前提で向き合うと、電話への感じ方が少し変わってくるかもしれません。

電話の頻度や手段が負担に感じるなら、遠慮せずに連絡帳で「こんな方針でお願いしたい」と伝えてみてください。先生も「言ってもらえてよかった」と感じることの方が多いです。